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修羅場の昼休み、私は「オリンピック」をミュートワードにした。

先にお詫びしておきます。
この記事はいつまで掲載しておくか、自分でも分かりません。
ぱっと消えるかもしれません。

理性は「別にブログに載せなくてもいいじゃない」と囁いているんですが、怪獣のように世界中に叫びまわりたい心地になったので、色んなご意見があるのを承知で書くことにしました。仕事は修羅場真っ只中、そんな場合じゃないだろうと脳内でビンタを繰り出す理性はまだ此処にいます。
が、些細なことでかなしくなってしまいそうだったので、昼休みのうちにネットの片隅でぎゃおんぎゃおん叫ぼうという算段です。

ツイッターで「オリンピック」をミュートワードにしました。

実はミュートワードを設定するのは初めてです。ほとんど地雷がないので、さして使う機会がなかったんですが、ちょっと今回はこころが……耐えきれませんでしたね……。

オリンピックを開催すべきかどうかについては、私は沈黙しかできないんですけれど、やっぱり「オリンピックやるなんて」といったご意見が、私の構築したタイムラインではよく流れてくるようになりました。うん、分かる。どう考えても悪手にしか思えないって私の理性も囁いてる。でも、「オリンピックは中止にすべきだ」という意見を見ると、胸部がぐう、と圧し潰されるような感覚がするようになりました。

突然ですが、私の実家の父母はアラウンドセブンティ、70歳が目前に迫る高齢者夫婦です。
陸の孤島のごとし地元で、数人の従業員を雇いながら自営業を営んでいます。父はもともと某私立大学を卒業後、東京の会社に数年勤めていたのを、祖父に家業を継いでほしいと頼まれ地元に戻ったという人です。母も東京の銀行でばりばり働いて遊んでいたらしいのですが、諸々の事情が重なって地元に戻った後に父と結婚しました。

そんなふたりが8年前に、飛び跳ねるように喜んだのが、オリンピックの東京開催決定です。

「よっしゃ、お金貯めないと!!」と決まったその日に電話で話していた父母は、仕事を辞めて年金ぐらしを始めようといっていたタイミングをずらし、オリンピック貯金を始め、チケットの予約合戦に参加し、ホテルの予約も最速で入れ、7年間ずっとオリンピックを全力で楽しむための準備をしていました。(いまも現役で仕事してます。)

そんな時にやってきたのがコロナ禍です。

横で眺めている私でさえ、やりきれない気持ちになるってもんですよ。

オリンピックを1年延期する、という話になった時、正直私はめちゃくちゃほっとしました。
もしかしたらまだ父母は、オリンピックを直接観るという夢を叶えられるかもしれない。現実的には難しいだろう、そんなに早く特効薬もワクチンも出回らないだろう、と理性はずっと頭の片隅で囁いている。それでも7年、8年とずっとオリンピックを心待ちにして、そのためにずっと働いてきた両親を前に、オリンピック中止になった方がきっと安全だよね、なんて口が裂けても私は言えない。

オリンピックを中止にすべき、という署名活動がネットで広まったあと、すぐにオリンピック開催を求める署名活動が広まるのを眺めていました。中止側の署名は初日10万人、開催側の署名は初日5万人くらい集まっていたと思います。やっぱり中止側が多数派じゃん、と安心する人も多いと思うんですけど、割合だけ見たら3人に1人は、オリンピック開催してほしいと思っているってことなわけで。

オリンピックやってほしいって言うやつはおかしい、そう言いたくなるのも分かるんです。分かるんですけど、両親の8年を思うと私は沈黙するほかないという……新型コロナ関連の話題は、どうしても不安なので語調が強くなりやすいよね……分かる……分かるけど……映画館観に行くのに1時間半かかるような田舎で8年間ずっと楽しみにし続けた人間も実在するので、ほんの少しだけ、ほんの少しだけやさしくしてほしい……と思いながら「オリンピック」をミュートワードにした次第です。

仮に中止になっても仕方ないよなー、と私個人は考えていますし、中止になってもならなくてもどうでもいいというのが正直な気持ちなのですが。もしも中止になって、誰かとそういう話題になった時には、嘘でもいいので「残念だったね」と言ってほしいなあ……と思うこの頃です。もしかしたらその時あなたの目の前にいるのは、8年間ずっと楽しみにしてきた私の両親かもしれないので。

オリンピックはどうでもいいけど、両親の夢が叶えばいいのになと、いまもなお祈っています。

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