19世紀末のイギリスを舞台に《幽霊男爵》の活躍を描く『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』を読んで

こんにちは、こんばんは、おはようございます。利鷹です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は昨年からずっと仕事が爆発しまくっていますが元気です。閑散期ってなんだったっけ???
 
旦那さんのサポートのお蔭もあって、忙しくしている傍らでも趣味の時間は何とか確保しています。
そして今日は、年末休みの間に読んだ小説について書こうと思ったんです。思ったんですけど。
 
私、ネタバレなしでの感想、書けないな?
 
ええー、でもせっかくなら皆さんにも読んでほしいーーーーーーー!! 面白かったもんーーーーーー!!
というわけで何とか頑張って1ページ目はネタバレなしのご紹介ダイマ、2ページ目からネタバレを気にしない読書感想文、という形で書くことにしました。
なので「この本気になってるからネタバレなしで読みたい!」という方には、2ページ目以降は読まずに閉じることをオススメします。
 
今回ご紹介するのは、『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』です。
 

『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』とは?

社交界で浮名を流し、風雅と博物学を愛する有閑貴族エリオットには、もう一つの通り名があった。それは幽霊男爵――。沈黙の交霊会、ミイラの呪い、天井桟敷の天使……。オカルト事件に目がないエリオットの元に舞い込む不可解な事件。だが「謎」から闇を拭うと隠された想いと切ない事情が見えてくる。幽霊男爵が美貌の助手コニーを従え、インチキ霊能者に挑む!

引用元:オレンジ文庫『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』ページ

『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』は、以前ウェブサイトを制作させていただいた栗原ちひろ先生の著作です。
舞台は19世紀末、ヴィクトリア朝ロンドン。隻眼の貴族エリオットと美貌の助手コニーが数々の怪奇事件を解決していくという物語です。
 
19世紀末のイギリスと聞いて私が真っ先に思い浮かべるのは『シャーロック・ホームズ』でしょうか。あとは『不思議の国のアリス』、漫画だと『エマ』に『黒執事』!
産業革命における光と闇、科学とオカルトが入り混じる19世紀末のイギリス。
現代の価値観だけで見ると不合理や不道徳を感じることも多々ありますが、あの時代のイギリスに魅力を感じている方は私の他にも多いのではないでしょうか。
こちらの本も、読みながらヴィクトリア朝独特の雰囲気を感じることができる凄く素敵な作品です。そしてなにより、めちゃくちゃ読みやすい!
ヴィクトリア朝が舞台の(というか現代とは違う時代が舞台の)お話って、その時代特有の文化やアイテムの描写に、どうしても読み慣れない感じを抱くことも私は多いんですが。『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』はサクサクと読み進められて、それでいてヴィクトリア朝の雰囲気もしっかり味わえるので、「メイドとか貴族文化とかイギリスのあの感じが好きなんだけど、小説ではあんまり読んだことないなー」という方にも試しに読んでみていただきたい作品です。
現在2巻まで刊行されているんですが、2巻は1巻で登場したキャラクター達がますます好きになるエピソードばかりなので、いまのうちに2巻まで揃えてしまうのもおすすめです。ちなみに私は1巻からヴィクターとアレクサンドラいうキャラクターを推しているんですが、2巻を読んでコニーへの推し心が爆上がりしました……。あとジェームスさんが、たまらなく好きですね……。
 
『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』、興味のある方はぜひ一度読んでみてくださいね。
 
さて。
 
もしこの紹介がきっかけで1巻を手にいれた、あるいは既に1巻がお手元にある、という方におすすめしたい読み方があるんですよ。
 
『有閑貴族エリオットの幽雅な事件簿』の1巻には5つのお話が掲載されているんですが、さらにその前、冒頭にプロローグ的な文章が掲載されています。
 
その文章がとにかく美しいんですよ。
 
その美しさを堪能するために、よければ1話目を読み終わったタイミングで、冒頭に戻ってその文章を読み返してほしいんです。
間を置かずに読み返した方がきっと良い。1度頭から最後まで通しで読まないと気がすまない、という方には無理強いしませんが、とにかく1話目を読んだあとに再度読む冒頭文が、ただただ美しい……。
 
1巻を冒頭文→1話→冒頭文→2話~5話と読み進めるのが私のおすすめです。
理由はここでは語れません。なぜなら盛大なネタバレだからです。次のページから冒頭文の美しさについて勢いのまま語るので、未読の方はここでブラウザバックを推奨します。
この先に進むなら1巻を読むか、ネタバレを許容する広い心の携行をお願いいたします。
 

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社交界で浮名を流し、風雅と博物学を愛する有閑貴族エリオットには、もう一つの通り名があった。それは幽霊男爵――。沈黙の交霊会、ミイラの呪い、天井桟敷の天使……。オカルト事件に目がないエリオットの元に舞い込む不可解な事件。だが「謎」から闇を拭うと隠された想いと切ない事情が見えてくる。幽霊男爵が美貌の助手コニーを従え、インチキ霊能者に挑む!
オレンジ文庫紹介ページより)

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ヴィクトリア朝ロンドンで知らぬ人はいない心霊マニア、その名も“幽霊男爵”エリオット。今夜も死者のベルに誘われて墓地に足を踏み入れるのだが、そこにいたのは10年前にエリオットが恋した女性で……。幽霊男爵のもとにもクリスマスはやってくる。過去という名の亡霊を連れて――。若き日のエリオットと助手コニーに迫る、ゴシック・ミステリー待望の第2弾!!
オレンジ文庫紹介ページより)

 


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