君は本当に良い奴だな、廣光。
校舎の裏手にある東屋で、彼女は静かに微笑んでいた。
俺は君の優しさに甘えてばかりいる。
彼女は廣光の前だけで、男のような自称を用いた。幼い頃に男として育てられていた名残だという。一度ぽろりとそう言った時に、それでいいと返してから。彼女はずっと、彼の前でだけで、好きなように言葉を話した。
恐らく彼女にとって、ある意味彼は特別だった。互いに特別だとは口にしないまま、友人として時間を過ごした。
けして心を開いた訳ではなかった。
それでも彼女は、彼にすべてを許されていた。
- 夜明けを願う祝ぎの庭
夜明けを願う祝ぎの庭 3
- くりつる
- 不仲な男士有
- BL表現有
- 燭鶴
- パロディ
読了目安時間:21分
なんでもありのハリポタパロ第三話。そんな顔はずるい、とのちに彼は言った。