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Excelの主な使い方は大きく3つに分類できる
エクセルは既存のテンプレートから手をつけると、途端に本来の使い方が理解しづらくなるツールです。
なので今回もテンプレート配布などはせず、一から家計簿を作る方法を書いていきます。
が、その前にエクセルの主な使い方を3つ覚えておきましょう。
Excelの使い方①:データを蓄積する
一定のルールを決め、表組みの形式でデータを入力し蓄積していきます。
Excelの使い方②:データを集計する
蓄積したデータを元に合計や平均値など様々な集計を行います。
Excelの使い方③:資料を作成する
表やテキスト・図などを自由に配置し、出力資料を作成します。
エクセルはデータ蓄積・データ集計・資料作成のどれをとっても便利なツールです。
そして各企業で使用されているテンプレートは、この3つの使い方を複合させたものが多い印象です。
もちろんエクセルの使い方に慣れると3つの使い方を複合させたファイルを自作できるようになりますが、慣れないうちはデータ蓄積用シート、データ解析用シート、資料作成用シートをそれぞれ分けて作ることをおすすめします。そうしておけばデータと出力資料が分離しているので、資料を編集しているうちに関数が消えてデータもおかしくなった、という事態をへらすことができます。
職場で使っているエクセルファイルの解読に苦労しているという方は、そのエクセルファイルをデータ蓄積、データ集計、資料作成それぞれの観点で眺めると読み解きやすくなるのではないかと思います。
また、一からエクセルで作業するときにも、データ蓄積→データ集計→資料作成の順番で考えていくのがポイントです。
Excelでデータ分析を始める前に、目的を明確にしよう
上記の通り、データ蓄積→データ集計→資料作成の順番で考えるのがエクセル作業のポイント……なのですが、それよりも先にやっておくべきことがあります。
そのデータを使って、一体なにがしたいのか。データ分析の目的を明確にしておくということです。
例えば「オンラインショップの受注データを分析する」という仕事があるとします。
ここでエクセルを開く前に、なぜ分析をする必要があるのか、その目的を考えます。
当たり前のように見えるかもしれませんが、目的を明確にしておくことがデータ分析ではとにかく大事なのです。
これをはっきりさせておかないと、なかなかデータ利用はうまくいきません。
今回の例でいえば、概ね「オンラインショップの利益を伸ばすため」にデータ分析をしよう、という話になると思います。
目的がはっきりしたら、次は何を調べれば目的の達成に役立つかを考えます。
例えば、
「どんな商品が人気なのかが分かれば、人気商品をアピールして売上を増やせるかもしれない」
「男女どちらが多く購入しているかが分かれば、広告を出す雑誌を選ぶのに役立つだろう」
「人気のカラーが分かれば、次の商品のカラー展開に活かせるかもしれない」
もちろん用意できるデータはショップごとに違います。
例えば顧客の性別データを取得していないショップはそれなりに多いでしょう。その場合は男女比を出しようがありません。
用意できるデータを元に、何を調べれば目的達成につながるか。
どうしても調べたい項目があるなら、どうすればそのためのデータを用意できるかを考えて蓄積していくことが、データ分析の基本です。
まずはデータ分析の目的をはっきりさせる。
そして目的達成のために役立ちそうなデータが何なのかを洗い出す。
このふたつを事前にしっかりおさえておけば、(エクセルに限らず)データ分析はぐんとやりやすくなっていきます。
職場のエクセル資料はどんな目的で作られているのか、ぜひ一度見直してみてくださいね。
「目的がいまいちピンと来ない!」という方は、「このデータを使って何か改善できるものがないか」「このデータを使えば可能になる状況判断がないか」という観点でチェックすると、目的設定がしやすくなると思います。
(経験則ですが、おおむねデータ分析ってやつは、状況を良くしたい時と、状況が悪化していないかチェックする時にやるものです。もしどちらにも関与しない分析のためにデータを収集しているなら、それは証拠保持程度の役割しかもっていません。省力化するか施策への反映フローを構築するか、どちらかに舵をきる方が建設的です。どちらも社風次第で地獄を見ますが……)